うちの四季さん

四季をイメージした4姉妹の話を、ほそぼそと更新していくブログ。

四季さんの『ウミガメのスープ』

秋「ある日、ある男が海の見えるレストランで「ウミガメのスープ」を注文しました」

 

夏「え?なに突然…」

 

秋「しかし、彼はその「ウミガメのスープ」を一口飲んだところで止め、シェフを呼びました。

「すみません。これは本当にウミガメのスープですか?」

「はい・・・ ウミガメのスープに間違いございません。」

男は勘定を済ませ、帰宅した後、自殺をしました。

さて何故でしょう」

 

それは秋が突然語りだした物語。一緒にリビングに居た春と夏と冬は秋を見つめる。

 

春「……(どうしよう、知ってるって言ったら秋ちゃん怒るかな;)」

夏「ねぇ、なにそれ。どうゆうこと?」

秋「男がどうして自殺をしたのか。その原因を突き止めるゲームですの。

三人は私にYESかNOで答えられる質問をしてくださいな」

 

夏と冬はしばらくポカーンとしてしまうが、春がやり方を説明しようと手を軽く挙げて。

 

春「あ、じゃあ。その男の人は一人でレストランに訪れたんですか?」

秋「YESです」

春「男はウミガメのスープ以外にも何か頼みましたか?」

秋「NOです」

春「自殺の原因はスープですか?」

秋「YESですわ。と、いうか。春お姉様、知ってますね?」

春「あ、バレちゃった?うん、でも今のでやり方は分かったでしょ?」

 

春はニッコリ笑いながら夏と冬を見て。

 

夏「うん、分かったは分かったけど、アタシ嫌だなぁ、こうゆう頭使うの」

冬「はいはーい!ウミガメのスープは美味しいですか?」

秋「うーん…。私は飲んだことありませんが、YESとしておきましょう」

 

秋は味を聞かれると少し戸惑い、とりあえず頷く。

 

夏「自殺の原因はウミガメのスープで、美味しかったんだよね?うーん……。

スープを飲む前に嫌なことがあった?」

秋「YES。つい最近ではないですが」

冬「じゃあじゃあ、男の人はウミガメのスープを前にも食べたことがありますか?」

秋「良いところを突いてきますね。YESです」

夏「前に食べたスープと味が違った?」

秋「YESですわ。核心に近いですわね」

 

秋はニコニコと嬉しそうに笑って、二人が「あーでもない、こーでもない」と言ってる姿を眺め。

 

夏「まとめると、男は以前食べたウミガメのスープと味が変わってるのに気がついて自殺した、ってこと?」

春「夏ちゃん、昔に嫌な事があったのも要因の1つよ?」

夏「あーそれがあったかぁ、嫌だなぁ…」

冬「嫌なことってどんなこと?彼女にフられたの?」

秋「NOですわ」

夏「男が昔飲んだのは、本当にウミガメのスープ?」

秋「あら、いい質問ですわね。答えはNOですわ」

 

夏「いぎやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 

 

夏は突然顔が青くなって叫び声を上げる。可愛くない声だなぁ(;一_一)

 

夏「え?なに?そうゆうこと!?」

秋「夏お姉様は気がついたようですね。お察しのとおりですわ」

冬「なになに?何が分かったの、夏姉ぇ!」

秋「冬、夏お姉様が普段どんなゲームをしているか思い出しなさい」

冬「んー。RPGとかパズルとか格闘とかFPSとかホラーとか…恋愛とか?」

夏「ばっ!?恋愛ゲームなんて持ってないよ!!」

冬「えー、でもこの前、スマホで男の子どうしが…」

夏「わー!わー!わーー!!」

 

話が脱線したので、秋の咳払いで修正する。

 

秋「冬が答えに行き着くのに時間がかかりそうですわ。夏お姉様、お答えをどうぞ?」

夏「えー、だからアレだろ?男が昔食べたウミガメのスープは……その…。ウミガメじゃなくて、人肉で、男はそれに気がついて自殺した。でしょ?」

秋「えぇ、その通り。それで半分正解ですわ」

冬「ん?半分?」

春「どうして男は人のスープの飲んでしまったのか、どうして今までそれに気がつかなかったのか。そこを言い当てれば本当の正解なの。でもちょっと二人には難しいんじゃない?」

秋「普段頭を使わないのですから、たまには運動をさせませんと」

夏「アタシは頭使ってるよー!」

秋「ゲームででしょう。そうじゃなくて教養の話をしているのですわ」

冬「今のは何のキョーヨーなの?」

秋「ほらご覧なさい!ちょっと画数の多い漢字を使っただけで冬の台詞がクルクルパーですわ!私、コレが嫌なんですの!」

 

f:id:inumarux:20170529084206j:plain